炭素クレジット国際取引の現場から
先週、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)京都メカニズム事業推進部長の清水康弘さんが講師をつとめる勉強会に参加しました。
NEDOは、政府の委託を受けて、炭素クレジットの調達業務を行っており、その責任者が今回の講師である清水さん。
テーマは「炭素クレジット国際取引の現場から」。
炭素クレジットの国際取引のご経験に基づき、世界の炭素市場が現在どのように運営され排出権が売買されているのか。日本の炭素クレジットの取得はどこまで進んでいるのか。
京都議定書達成の見込みや、今後の地球温暖化防止の枠組み、ポスト京都の行方など、炭素クレジットという観点から温暖化防止に向けた諸々の取り組みの現状や見通し、問題点などを解説していただきました。
(清水さんは、安倍政権時に首相が導入した総理補佐官制度を支えるため、霞ヶ関から官邸入りした官僚のお一人。勉強会終了後の飲み会でのお話も興味深いものでした。)
以下、備忘録。
☆92年に成立した京都議定書について、マスコミで伝えているのは一面に過ぎない。
京都議定書は国際的な排出権取引システムそのもの。
国際的な排出権取引システムそのものであることは、あまり理解されていない。
☆京都議定書は柔軟な制度。
(CO2削減だけでなく、そのほかにも目標達成には様々な手段が存在)
6種類のガスのどの削減でも良い。
CO2に注目が集まるが、メタンやフロンの削減も重要。
☆京都議定書のITLと登録簿システムは稼働中。
排出量等の確定は、専門レビューチームIERTによる国際的な審査を受ける。
また、取引は国際取引ログ(ITL)による監視・チェックを受ける。
☆京都議定書遵守の流れ
☆2013-2015の審査プロセス。
☆世界の排出権取引制度。京都議定書を核に各国の国内制度も拡大中。
☆世界の炭素クレジットの市場規模。(約10兆円)
☆NEDOの役割。
☆NEDOのクレジット取得方法。
①直接取得。
途上国のCDM(クリーン開発メカニズム)を発掘。国連から直接クレジットCER発行。
CDMプロセスは国連により厳格に管理されている。
(プロセスに時間がかかり、審査も厳しい。)
②間接取得。発行済みクレジットを企業、商社など仲介者を通じ購入。
市場価格に強くリンク。
為替リスク。
③GIS(Green Investment Scheme)
排出枠AAU(各国に配分される排出量)に余剰がある国から排出権AAUを購入。購入資金は環境プロジェクトに投資。
☆京都議定書は日本外交の失敗か?
☆達成の見通し。
☆今後の国際交渉。現在2トラックで交渉中となってしまっている。
☆国際交渉の構図
☆COP15総括
今後の戦略の建て直しの必要性。
☆今後の展望
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