ノバレーゼ(マザーズ2128)の浅田剛治社長とラジオNIKKEIの番組で対談しました。
ノバレーゼは、ハウスウェディング、ホテルや結婚式場の再生事業、ウェディングドレス・タキシードのレンタル及び販売、レストランの事業を展開しています。
売上比率は、披露宴の販売のプロデュース事業が約4割、飲食のホテル・レストラン事業が約4割、ウェディングドレス・タキシードの婚礼衣装事業が約2割。
店舗数は、ドレスショップが15店舗、ゲストハウスが20店舗(直営13店舗)、ホテルが1店舗。主に東名阪に展開しています。
ノバレーゼの婚礼衣装事業の特長は、ノバレーゼとエクリュスポーゼという2つのブランドがあり、ノバレーゼは、イタリアからドレスを直輸入して高級なゾーンの商品展開を、エクリュスポーゼは、もう少し安い価格で年齢的にも若い層をターゲットにした商品展開で、イタリアの生地を中国で縫製することによってコストを抑えています。
婚礼プロデュース事業では、最近は、小さい会場やゲストハウスで親族や友人を招くというゲストハウスウェディングという概念が欧米から入り、ヨーロッパのお城や邸宅を模したゲストハウスが多く作られるようになりました。ノバレーゼは、デザインに特徴のあるモダン建築で、あまり結婚式場に見えない施設を作って他社との差別化を図っています。
「一軒家」、「庭付き」、「貸し切り」のキーワードでハウスウェディングを展開し、可能な限りゆとりのある結婚式を提案しています。
モノリスとアマンダンという2つのブランドを展開していますが、モノリスは、比較的ターミナル駅の近くで利便性の良いところ、(庭はそれほど広くはなく)、建物で見せるスタイル。アマンダンは、駅から車で20分程度の場所にあり、緑があったり、山があったり、というような風光明媚な場所にあり、ほっとするような癒しの空間、プチリゾート感覚を提供しています。
ノバレーゼでは、結婚式場の再生事業も展開していますが、
色々なホテルの経営が厳しくなってきている中で、ホテルや結婚式場を再生して欲しいというような依頼が多くあり、見極めさえ間違わなければ再生する余地のある物件はかなりあるそうです。再生事業は、新築と比較して投資も抑えられて展開のスピードが早いことから、新築のハウスウェディングとは違うビジネスの面白さがあるそうです。
浅田社長は、少ない投資で最大のリターンを生み出すためにも「見極め」が重要だと対談中に何度か強調していましたが、昨年は、マンションディベロッパーと競合するとほとんど競り負けていたのが、景気悪化の影響でディベロッパーの多くが厳しい経営環境になったことから、現在では非常に良い条件で調達できるということです。
ノバレーゼのビジネスでユニークなのが、ホテル・レストラン事業。
ハウスウェディングの平日にはレストランを提供しています。ランチとディナーがあり、ランチは3,000円~5,000円の価格帯で展開。これは、高級感のあるところでゆっくりランチが食べられると地元の方にも好評なのだとか。また、一軒家を貸し切りにしたような宝石の展示会や車の新車の発表会等にも利用されているそうです。
式場の場所をこっそり(?)下見したい人も気軽に利用できそうですし、繁忙期以外に従業員がサービスの経験を重ねる場としても、また、消費者の声を拾う場としても良いアイデアではないでしょうか。
長引く不況の影響も踏まえて今後の市場環境について浅田さんにたずねると、
「当面は多少単価に影響があるかも知れませんが、逆に不景気になると結婚が増えると一般的には言われています。最近『婚活』がブームになっていて取り上げられていますが、結婚したい人は潜在的にはかなりいらっしゃいます。マーケット全体を見ても昨年で72万組の婚姻届組数があって、そのうち披露宴をやっているのが50万組と言われています。私どもの昨年の取扱組数がまだ2,000組、マーケットシェアとしてはまだまだです。 その50万組が増えるか減るかの議論の前に業界の中で淘汰が起きてくると考えています。閉鎖や廃業に追い込まれるホテルが増えてくると宴会場の数が減りますので、残存者利益がかなりあるのではないかと思います。きちっと堅実な経営をやって生き残った企業には後で果実を得られるのではないかと考えています。」と話していました。
「堅実」、「誠実」な経営を心がけ、コンスタントに投資家との約束を果たしていきたいと浅田さんは話していました。

大きな景気の波を受けると、消える企業もあれば新たに生まれる企業や大きく成長する企業も。新陳代謝が生まれダイナミックな変化が起きる時こそ投資家にとっては大きなチャンス。そして、リターンを生み出すために「見極め」が大事なのは企業の投資にも、個人投資家にとってもいえることですね。
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