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2005年6月22日 (水)

JAL、まだ続くありえない話

JAL、今度はエンジントラブルで緊急着陸。和歌山県串本町沖を飛行中の羽田発那覇行きの日本航空1935便(ボーイング777型、乗員13人、乗客220人)にエンジントラブル発生。左側エンジンが突然停止し関西空港に緊急着陸。
それにしてもとにかく多すぎる。
この調子だと「今日のJALのトラブル」というコーナーがニュース番組内で成立してしまうのではないだろうか。

さて、日経ビジネス6月20日号のJAL特集によれば、旅客機の配線を整備関係者が故意にカッターで切ったと推定される事件が複数発生していたという。

一体何を考えているのだろう?恨みや憤りがあるのなら、その本人に直接ぶつければいい。社長でも、上司でも、他の部門の気に入らない人間でも。なぜ航空機の配線を切断しなければならないのだろう。それほど嫌なら辞表をたたきつけて辞めればいいではないか。何のために仕事をしているのだろう。不満を訴えるビラ配りでもストライキでもすればいい。もし、許しがたい事実が社内にあって、それをなんとか変えたい思ったのなら別の行動をとるべきだ。配線を切断するなんていう発想の持ち主が整備部門に複数いるなんて信じがたい。

言うまでも無く、整備とは、本来航空機が安全に飛行するために非常に重要な、必要不可欠なものである。
この話が整備関係者によるものだとしたら、しかも一度だけでなく何度も起きていたとしたら・・・。既に腐りきっているとしか言いようが無い。

私が全日空の客室乗務員だった当時、ランプアウトして滑走路にゆっくりと向かう機内の窓から整備士の姿を見つけるたびに、彼らの整備への自信と安全運航への願いを強く感じたものだ。

夏の炎天下や雪が降る空港、風雨の中でも、そして社内にリストラの嵐が吹きぬける最中でも、いつでも彼らは無事に目的地に着くように祈りながら機体に向かって手を振っている。
誰かが彼らの手を振っているのを見ているかどうかなんて多分彼らは気にしていない。
ただ、ひたすら安全運航を願って、自分たちが整備した飛行機を見送っているのだ。

「どうか気をつけていってらっしゃい」、「何事も無く到着しますように」、「クルーのみんな、後は頼んだよ」と。

窓の向こう、エンジン音で聞こえるはずも無い、遠くて口元だって良く見えないけれど、そうした声が聞こえてくるようだった。

冷たい雨に打たれながら懸命に手を振る彼らを見たときには、思わず涙が出そうになったこともある。

安全に100%は無い。何が起きるか分からない。とても低い確率でも航空機事故が起きる可能性はどこかに潜んでいる。
それでも彼らがベストの整備をしてくれたという信頼感が、そうした不安を少なからず軽減してくれていたことは間違いない。
「クルー」という言葉があるが、空を飛ばない彼らも大切なクルーの一員なのだ。

そんな整備に携わる者が、機材の配線を切断するなんて信じがたい出来事だ。一体どんな思いで切断したのかと考えるとJALという組織の中に埋めがたい溝と憎悪、憤怒が存在するのだろうと推測せざるを得ない。

社員同士の信頼関係、自分たちの仕事に対する誇りと自信が今、JALのあちらこちらで崩れていると思うとぞっとする。
ここまで来ているのか・・・ということを再確認した特集記事だった。

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コメント

ほんとにどうなっているんでしょうか?電車の運転士が運行中にメールをしていたり、職業運転手が飲酒をしてたり。日本人の中にあるプロ意識はどうなってしまったのでしょうか?配線を切断する整備士の話にも恐怖を覚えます。整備をする人間にはどんなことでもできます。複数の安全対策が施されている航空機でも整備士が故意にトラブルを作り出していたのではどうしようもありません。いったいどのような教育をすれば、仕事や命の大切さを教えることができるのでしょうか。

投稿: 好奇心 | 2005年7月 8日 (金) 11時15分

好奇心さん

コメントありがとうございます!
お元気ですか?長らくご無沙汰しております。
(A社のTさん、でいいんですよね)。
私は今月からCNBCにBSJの再放送で復帰?し、CSに再び顔をちらつかせております。

さて、
JALにしてもJRにしても、疑問を持っている人は必ずいると思うんですよね。
ひとりひとりがどんな形でも声をあげるなり、行動を起こすなり(配線切断は絶対に許されません)少しでも何かを変えようとするべきだと思います。
もちろん経営陣に問題があることは確かですし、株主も声をあげていかなくてはならないと思うのですが。

JALについて言えば、前の中期経営計画(2003~2005年度)を見ても、コスト削減と統合効果(こちらもコスト削減)が異常なまでに強調されています。安全管理もあげてはいますが、とってつけたように感じるのは私だけではないはずです。
この中期経営計画を見ても、「統合効果」のひずみが想像できます。

結局は「企業は人なり」。
上に立つ人間が社員を一人の人間として尊重していないと・・・。
悪い感情は伝わると思うのです。

いくら社員を教育しても、別の職種やセクションの人間を「おまえら」、「あいつら」呼ばわりしたり、「コスト削減の敵」、「金喰い虫」扱いするトップがいると、(こういう発言は本人オフレコのつもりでも社内を駆け巡るのが恐ろしく早いですよ)一気に社内のあちこちがギクシャクするということを私自身が実際に体験しました。

これはトップについても言えますし、組合同士に
も言えることですよね。

それから採用基準。
本当のところ、どうなんでしょうね。
コネとか縁故とか学閥とか・・・。
風通しの良さとか、発想の多様性とか、
あまりにしがらみで固めていくと長い間に結構影響が出るんじゃないかと思うのですが。

投稿: takako watanabe | 2005年7月 9日 (土) 06時13分

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