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2005年6月30日 (木)

アスベスト被害

大手機械メーカー「クボタ」がアスベストを材料とするパイプや住宅建材の製造工場で働いていた社員や退職者、請負会社従業員の間で、がんの一種「中皮腫」などアスベストが原因とみられる疾病の患者が多数発生、78年~昨年までに79人が死亡、現在療養中の退職者も18人いると発表。 工場周辺に住んでいて中皮腫を発症した住民3人に対して見舞金を支払うことを決めた。

潜伏期間は悪性中皮腫で20年~50年前後、肺がんで15年から40年といわれているが、アスベストの製造・使用が原則禁止されたのが昨年の10月。前々からアスベストとがんの発症の関係について指摘されていたのに・・・。
まだまだ被害が発覚するのではないだろうか。

アスベストは健康への影響さえなければ、建築材として優れた特性を持つだけに多用されてきた。
そして、アスベスト使用ビルの解体工事について、飛散防止対策が広がる以前に、不幸にも工事に関わったり、近くに住んでいたり・・・。私も大丈夫だろうかと心当たりのある人、そして、クボタのようにおおよその被害の状況が分かるケースだけではない。自分がいつどこで飛散したアスベストを吸い込んでいたか気が付かない人も多いだろう。

(かくいう私も・・・アスベスト使用ビルやアスベスト使用学校にも長年通っていたに違いない。改修工事もあったような気がする。気になるところだ。解体工事現場近くで吸い込んでいた可能性も高そうだ。
それから小学校の理科の実験で使っていた石綿金網、あれはさすがに大丈夫だよな・・・。などと気になる・・・。)

★以下、東京都環境局のサイトからアスベストについての情報を抜粋・引用しました。
日本のアスベスト問題の基礎知識とし参考になります。国の対応は、東京都の対応よりも遅れていたようです・・・。

★アスベストは、その化学的物理的特性から建築材料のほか様々な用途に用いられてきました。中でも「吹き付けアスベスト」は、昭和40年頃からビル等の耐火建築材として使われはじめ、昭和47、48年頃に最も大量に使われました。しかし、労働安全の面から、昭和50年、アスベストの吹き付けは原則禁止されました。 現在、これら吹き付けアスベストが使用された建築物が建て替えの時期を迎えつつあり、建築物の解体に伴うアスベストの環境への飛散防止対策が課題となっています。  東京都は、これまで、アスベストの飛散防止対策として、国の対応に先んじて平成2年3月に「建築物等の工事に伴うアスベスト飛散防止対策指導要綱」を策定、平成6年7月にはこの指導要綱の規定内容を「東京都公害防止条例」(平成12年12月「都民の健康と安全を確保する環境に関する条例」(以下「環境確保条例」という。)に全面改正)に組み入れるなど、建築物等の工事に伴うアスベストの飛散防止対策の徹底を図ってきたところです。

★アスベストが様々な工業製品に使用されている理由は、経済的には安価であること、及びそれのもつ物質的特性によるもので、特に次の点が挙げられる。
① 紡織繊維性
通常、アスベスト繊維は集合体をなしており、工学的に解綿できる最も細い繊維束の大きさはおおよそ1~2μmであり、アスベスト以外の無機又は有機繊維に比べ著しく細い。
② 耐熱性
クリソタイルでは、およそ 500℃までは安定であり、角閃石系のものはクリタイルより高温でも安定している。この耐熱性から、吹付け材等の建築資材及び他の工業資材に使用されることになった。
③ 抗張力
アスベストは、ピアノ線より強い引っ張り力を有している。また、しなやかさも有しているが、特にクリソタイルのしなやかさが最も優れているとされている。
④ 耐薬品性
耐酸性及び耐アルカリ性は、アスベスト繊維の種類によって異なるが、その中で、アンソフィライトが最も優れており、クリソタイルが劣り、他はこれらの中間に位置するとされている。また、酸・アルカリ以外の薬品に対しても比較的抵抗力が強いとされている。
⑤ 絶縁性、耐磨耗性、防音性
アスベストは一般に熱絶縁性にすぐれている。この特性及び小さい吸湿・吸水性から保温材料として用いられている。 このほか、アスベストは通常の環境条件下では、半永久的に分解・変質せず、また地表に沈降した場合、容易に再発じんするため、極めて長い間一般環境中に留まることが知られている。

★健康影響
 現在、アスベスト暴露に関連あるとして確認されている疾病は、石綿肺、肺がん、悪性中皮腫の3疾患に加え、良性胸膜疾患として、胸膜炎、びまん性胸膜肥厚、円形無気肺(または無気肺性偽腫瘍)及び胸膜プラークがある。これらはいずれも空気中に浮遊するアスベストを吸入することにより発生する。

1)石綿肺
 アスベストの健康影響として最も早くから注目されており、職業上アスベスト粉じんを通例10年以上吸入した労働者に起こるじん肺の一種である。吸入されたアスベストが細気管支や肺胞に刺激を与え、炎症を起し、次第に終未肺気管支周辺や肺胞の線維化を来たし、肺機能障害を起こす。これはアスベストの暴露が中止した後にも進行することが知られている。最終的には肺線維症の進展の結果、呼吸不全で死亡する場合がある。

(2) 肺がん
 1985年にLynch とSnith により、石綿肺に合併する肺がんの症例が報告され、その後多くの石綿肺合併肺がんが報告されたが、1955年Dollがイギリスの石綿紡績工場労働者を対象にした疫学調査で、この工場に20年以上働く労働者の肺がん死亡率が、一般住民に比べて13.7倍も高いことを報告し、アスベストと肺がんとの因果関係を疫学的に明らかにした。
 アスベスト暴露から肺がん発症には通例15~40年の潜伏期間がある。また、暴露量が多い集団ほど肺がんの発生が多いという量一反応関係があることが確認されている。

(3) 悪性中皮腫
 胸膜、心膜、腹膜などの漿膜腔を覆う中皮表面及びその下層の組織から発生する極めて予後不良な悪性腫瘍(がん)である。アスベスト暴露から20~50年の長い潜伏期間を経たのち発症する。
 悪性中皮腫の発生は、アスベストの種類によって差があることが知られており、クロシドライトが最も危険性が高く、アモサイトがこれに次ぎ、クリソタイルは前二者より低いとされている。

(4)良性胸膜疾患
 アスベストによる胸膜炎は比較的近年になってからその存在が認められた。他のアスベスト関連疾患とは異なりアスベスト暴露開始より数年以内にも発生する。全く自覚症状がないまま経過し、後に胸膜が癒着し、びまん性胸膜肥厚として健康診断時などの胸部X線検査で気づかれることが多い。中には、胸膜肥厚部分に隣接した末梢肺が部分的に虚脱を起こし、胸部X線写真上、円形の腫瘤様陰影を呈することがあり、これを円形無気肺または円形無気性偽腫瘍と呼んでいる。これらの3つの胸膜疾患は職業上アスベスト暴露を受けた場合に生じる疾患である。
 胸膜プラークは、通常アスベスト暴露より20年以上経過したのち、胸部X線検査で初めてみつかることが多い。それ自体は肺の機能障害をもたらすことはないが、職業暴露よりも低い濃度の暴露によって生じることが知られ、過去におけるアスベスト吸入の指標として意義が大きい。 

以上、東京都環境局のサイトより抜粋・引用 詳細を知りたい方は
http://www2.kankyo.metro.tokyo.jp/kaizen/kisei/taiki/asbest/

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コメント

Takako Watanabeさん

TBどうもありがとうございます。
アスベストはずいぶん前からその危険性が指摘されていたのにも関わらず、
なかなか禁止に踏み出してこなかった人災でもあると思います。
毎年500人以上が、アスベストが原因で亡くなっているのに・・・
なにも対策してこなかったツケが回ってきているんです。

クボタの広報も、当時は禁止されていなかったの一点張りです。
おまえらは、法令だけ守ってればいいのかよ?倫理観持ってくれよ!
私は率直なところこんな風に感じました。

投稿: shun@娑婆に出る | 2005年7月 7日 (木) 11時21分

shun@娑婆に出るサン

コメントありがとうございました。
本当に、長年にわたりその危険性が指摘されていたにもかかわらず・・・。こうした結果を招くことは多くの人が知っていたはずです。
企業側の倫理観もさることながら、法令も遅すぎたという気がします・・・。
また、国側の対応の暢気さが目に付きます。
相当の規模の被害が予想できたはずです。

投稿: takako watanabe | 2005年7月 7日 (木) 23時49分

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