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2006年10月31日 (火)

浅田真央さんの今シーズン

フィギュアスケートのお話。

元スケート少女、現在お茶の間スケート解説者が楽しみにしていたシーズンがやってきました(^^)

グランプリシリーズ初戦、マスコミは安藤選手の優勝に沸き立っていますが・・・。

安藤選手、おめでとう!

そして・・・・

今回の試合をTV観戦し、ワタクシが大いに評価したいのは浅田真央選手の急成長です。

SPではほぼ完璧な滑りでトップに立ったにもかかわらず、フリーでは本来飛ぶ予定のジャンプが飛べず3位という結果に終わりましたが、素晴らしい成長でした。

よく、あれだけ難しいプログラムに挑戦したと思います。

フリーのトリプルアクセルの失敗も、開幕戦であったことを考えると致命的な失敗では無かったと思います。むしろ、よく短期間であれだけのプログラムをこなしたと思います。

真央さんが取り組んだのは、トリプルアクセルにしても「助走」というものがほとんど見当たらない、技と技の間や直前までステップが入ったり、ジャンプの入り方や降りた後などもエッジ使いが正確でなくてはこなせない、技の前後も技術の正確さを求められる、そして一度の失敗が次の技に影響してしまうリスクをはらんだ、世界トップレベルの男子でさえも非常に難しいプログラムでした。高リスクである一方、成功した際には高得点でトップに立てる、そんな「他を引き離して圧勝一位」を狙ったプログラムといえます。

プログラムの高度さゆえに、直前の練習中には何度も飛べていたジャンプも、上手く体が反応しきれていないように見受けられました。

優勝を意識して重圧に押しつぶされた、とか、追われる立場になって重圧に負けた、といったような記事も見かけましたが、ちょっと違う気がします。

あえて理由を探すとするなら、開幕戦としてはプログラムの難易度があまりにも高かったということではないかと個人的には推測します。(また、フリーの選曲と衣装もベストと言えるのかどうかという疑問もあります)。

もう少しプログラムを易しくするか(多少易しくしても十分に高度なプログラムだと思います)、プログラムを身体に叩き込んで完成度を高めるか、いずれにしても、シーズン終盤には昨年とは全く別格の力を備えた選手になってると思います。実際、現在も史上最高の力を備えた選手だと思いますが、試合の得点的にという意味でも結果がまるで違ってくるはずです。

実際、彼女の成長は、ジャンプの成否以上に意味を持つものでした。

昨シーズンの彼女と比べて、彼女の成長で最も顕著なのはスケーティングの(信じられないレベルの)上達です。

(背が伸びたとか、オトナっぽくなったとか・・・そんなことは二の次です)。

彼女は大変な努力をしていった。もともと持っている超人的な運動神経と言う才能を恐らくある意味では抑制しながら、スケーティングの基本である体重移動とエッジのコントロールを徹底的に改善して、彼女のスケートを更に非常に高いレベルまで引き上げていったのではないかと思います。(背が伸びたというのは二の次と書きましたが、背が伸びている最中ならではのトレーニングの厳しさや難しさもあったはずです)。

その努力の結果は、ステップやイーグル、スパイラルを見たら一目瞭然。ジャンプの前後だけに注目してもはっきりと分かるはず。いや、リンクに上がった一歩目からその違いは分かるはずです。

スケーティングの美しさが去年とは全く「別格」になっているのです。バレエで培った美しい身体の動きや伸びやかな肢体そのものがより生きてくる滑りでした。「重力」と闘い、また一方で「重力」を最大限に利用しながらも、見るものに「重力」を感じさせない天使のようなスケーティングです。

16歳とは言え、既に世界のトップレベルの選手でありながら、ワンシーズンでこれだけスケーティング自体のレベルが大幅に改善されているというのは、身体能力に加え、人並みはずれた理解力と努力と才能の持ち主・・・まさに「天才」という言葉がふさわしい人だと思います。

SPを見て鳥肌が立ちました。

一つ一つエッジのインとアウト、体重移動がより正確に美しくなっていて、振り付けの素晴らしさともあいまって、音楽との同調性もSPとは思えない完成度で、一つ一つの技の技術の高さに加え、音楽が見えるようなスケーティングでした。

ワタシがもし現役スケーターであったら、即、引退を考えたくなるような滑りでした・・・(タラレバですが・笑)。
今回の試合でフリーで浅田真央選手が全てのプログラムを完璧にこなしていたら・・・世界のスケーターの世代交代を促すことになったかもしれない・・・というのは考えすぎでしょうか。

技術、芸術性、その両方を支えるスケーティング自体の完成度と美しさ。
多くのスケーターが目指すであろうスケートの形、夢をあっさり目の前で実現されてしまうことになったのですから。

元スケート少女、現お茶の間解説者のワタクシ、これまで最も心に残ったスケーターは、(84年のサラエボオリンピック『ボレロ』で20世紀最高のスケーターとして伝説となった)ジェーン・トービル&クリストファー・ディーン組ですが、近い将来、浅田真央選手が史上最高のスケーターとして彼らが与えてくれた感動以上のスケートを見せてくれるのではないかと大いに期待しています!!

☆そして、もう1人、浅田舞選手にも注目です!

もしかしたら、世界の多くの選手が引退を考えても不思議ではない、あの真央選手の滑りを毎日目前にしていて、それでも本格復帰&世界の競技の場に参戦することを決意したのですから、本当に心からスケートを愛しているのでしょうし、これまで以上の覚悟で取り組んでいるはず。

実際に、舞さんの滑りや表情から、スケートを愛する気持ちや世界の舞台にチャレンジする決意のようなものが伝わってきました。

美しいスケーティングに加え、課題のジャンプもきっと克服して、世界のトップ選手の1人として表彰台の順位を争うポジションで活躍していく、今後の大きな可能性を感じました。

☆以上、お茶の間解説者からのエールでした(^^)

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コメント

takakoさんの解説は分かりやすく、素敵な文章なので、コメントします。
私は一フィギュアファンですが、浅田真央選手のSPは素晴らしい演技で、とても感動しました。優勝したのは安藤選手でしたが、真央ちゃんのSPの感動がはるかに勝って印象的でした。技術的なことは詳しく分からないのですが、柔らかく美しいスケーティング、間の取り方や曲の表現の美しさ、takakoさんの「天使」のスケーティングという表現がぴったりですね。
FPは、曲も衣装もあまり真央選手に合っていないように思いましたが、完成されれば難易度の高いプログラムなのでしょう…。(個人的には、オズの魔法使いのFP,モーツアルトの楽曲等で滑る真央ちゃんを見てみたいです)
また、マスコミの「勝ちを意識した」という真央選手の報道は私も何かしっくりきません。FPの難易度と、曲調があまり合ってないことからのミスだと感じました。
今度のNHK杯では、スケートアメリカ以上の活躍を期待します。そして、「ボレロ」のトービル・ディーン組のように、観客を感動の渦に巻き込むような素晴らしい演技(もしくはそれ以上の演技)をこれから近い将来見せてくれると私も期待します☆

投稿: stern | 2006年11月12日 (日) 21時14分

☆sternさま
コメントありがとうございます。
こうして浅田真央さんの演技に感動した方が他にもいらしたことを知り、本当に嬉しいです。
やはりスケート好きの方なら同じような感想を持たれると思うのですが・・・。
マスコミの報道には違和感があることが多いですね。
FPの真央さんの衣装、曲や彼女自身にぴったりでなかったことに加え、テレビで見る限りサイズも小さいように見えました。
身体に合わない衣装というのも気にしだすと気になるものなんですよね。
これからも一緒に真央さんを応援しましょう!!
今後ともヨロシクです。

投稿: takako watanabe | 2006年11月13日 (月) 02時49分

takakoさま

そうですね。マスコミの報道には私も違和感を感じることが多いです。
それにしても、SPのノクターンの素晴らしさは、真央さんが伝説のスケーターになる、と予感させるものでした。これからの真央さんの演技がとても楽しみです!!
FPの衣装ですが、確かにサイズも合っていないかもしれないですね。色も、もっと明るい色のほうが似合うように感じました。
今後ともヨロシクです。takakoさんのフィギュアの記事楽しみにしています。一緒に真央さんを応援しましょう☆

投稿: stern | 2006年11月13日 (月) 22時00分

☆starnさま
真央さんは、恐らく似合う色の4つのファミリーで言うと、夏、サマーではないかと思います。
サマーのファミリーに属する人は、例えばパステルブルーや、パステルピンク、淡いバイオレットなどが良く似合います。
逆に強すぎる色や、黄味の強い色はイマイチなんですよね。
ピンクでもアプリコットピンクよりは黄味の無いベビーピンクの方が真央さんに似合うと思います。
FPの衣装はブラックにアプリコットピンクのリボンでした。ちょっと残念!
形も大きなリボンよりも、
もっと身体の美しさを生かしてシンプルな形で
尚且つ、天使や妖精、バレエのジゼルを思わせるロマンチックなオーガンジーなどの透ける生地をふんだんに使ったものが似合うんじゃないかなと思います。
(^^)
これからも遊びに来てくださいね。

投稿: takako watanabe | 2006年11月14日 (火) 00時03分

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