« フンガイその後 | トップページ | 村主章枝さんがモロゾフ氏に師事<正式発表> »

2008年6月17日 (火)

一升庵で働きたい

Dsc_0083weblog

今年も紫陽花を撮りまくってます。桜と紫陽花には異常なまでに惹かれます。

毎週火曜日放送の蒼井優さん主演のテレビドラマ「おせん」。

毎度毎度そのキモノコーディネートに物欲を煽られまくってますが、ストーリーも毎回ハッピーエンドで良い感じです。

舞台は一升庵という東京下町の老舗料亭。

(どこかの似非老舗料亭とは違って)真心のこもった料理とおもてなしで店を切り盛りしています。(採算は二の次になってしまい「利益率」は悪いようです)

先週は、鈴木蘭々さん演じる飯炊き名人テル子をめぐる話でした。

飯炊きに使う藁が不足してしまいひと悶着あり・・・最後にはみんなの助けで一件落着。ハッピーエンドとなるんですが・・・。

この時、蒼井さん演じる料亭のおかみ・おせんが、テル子に向かって言ったこのようなセリフにやられました。

「うちにはなくてはならない人です。これからもずっとおいしいご飯を炊き続けてくださいね。」

不覚にも泣いてしまいました!こんな単純なセリフにハートをぶち抜かれました。

「自分は誰かに必要とされている。毎日同じことの繰り返しのような仕事でも、真摯に取り組んでいる姿を誰かが見てくれている。自分の作ったものを楽しみにしている人がいる」

「これから先も努力を続ける限り、働ける場が約束されている」

仕事を通じてそんな風に感じられたら、どんなにシアワセでしょう。

このおかみの一言で、テル子は希望を持ち、職人としての自分、更には自分の存在価値そのものに自信が持てるのではないでしょうか。

実際の企業経営としては「その人がいなくなったら困る」という職人の集合体では、大きな経営リスクを抱えることとなります。

ですから多くの企業では、例え飯炊き名人が突然倒れても、他の店に引き抜かれても問題なく料亭の営業が出来るように、

飯炊き名人の飯炊きをマニュアル化し、誰でも出来る仕事にし・・・

非正規雇用でも、日雇い派遣でも勤まる仕事にしてコストも削減するわけです。(ドラマの中の「一升庵」の従業員たちの雇用形態はナゾですが・・・)

実際の企業経営において多くの企業では「なくてはならない人」をいかに減らし、リスクを減らし、利益率を上げるかに終始するわけです。

しかし、どちらがより多くの人の人生を幸せにする経営でしょう。

働く人自身、その家族、友人、隣人・・・。

もう一度、社会全体で考えなければならない時期なのかもしれない。

ふとそんなことを考えました。

ドラマの「一升庵」がもし実在したら、いろいろなリスクが多すぎて、現実社会では存続が難しいかもしれませんが、せめてドラマの中では「夢」や「希望」や「愛」にあふれていて欲しいですね。

さぁ、今夜も「おせん」ウォッチ。

衣装&ストーリー、両方楽しみです(^^)

|

« フンガイその後 | トップページ | 村主章枝さんがモロゾフ氏に師事<正式発表> »

コメント

おせん私も今期唯一見ています!
着物もそうですが、
お料理や経営に対する丁寧な姿勢など見所も多いですよね。
ふと自分の仕事の仕方とか、振り返ってます。

投稿: bell | 2008年6月17日 (火) 20時47分

☆bellさん
bellさんも見てましたか(^^)
おせん、良いですよね~。
仕事、人とのつながり、言葉・・・
自分のこと、最近の世の中の流れ、色々考えます。

投稿: 渡辺タカコ | 2008年6月17日 (火) 22時17分

takako watanabeさん、こんにちは。

ROMっておりましたが、カキコさせていただくのは久しぶりです。^^

『おせん』、実は観ておりません。(殴) ^^;
でも、takako watanabeさんの解説で状況が良く分かりました。

私の置かれている環境でも、おっしゃるとおりコストを重んじているので、「なくてはならない人」の存在を否定し、無くすよう力を入れていますね。
それはお客さんにとってはありがたい存在ではあるのでしょうけど…

でもやっぱり「なくてはならない」と思われたら嬉しいですよね。
そしてまたtakako watanabeさんも、きっと他人からそう思われながら日々過ごされているのだろうなぁと勝手に想像しております。^^

私は会社からそんな風に思われたことがないので、尚更そのような考え方が浸透したら会社に行くのが嬉しくて仕方なくなるのだろうなと思います。

でもやっぱり現実は、企業は大きくなり続けなければならないのですよね…

私は高給取りになんかになりたいと思わない(そもそもなれませんが)ので、そこそこやりたいことが出来て、安定的に暮らせるのならそれで良いのですが。

って、こんな考えで過ごしているから「なくてはならない存在」などと言われることがないのでしょうね。(汗)
失礼いたしました。^^;

takako watanabeさんの紫陽花の写真を観ていたら、私も撮りたくなってきましたよ。^^
う~、時間がない…

投稿: t.i | 2008年6月19日 (木) 23時48分

☆t.i.さん
こんばんは!
「おせん」、来週最終回ですので是非チェックを♪

この国の最近の流れは将来への希望、更には人間の尊厳まで奪いかねないところまできていると思います。そりゃもう全国津々浦々。色んな場所で。

>そこそこやりたいことが出来て、安定的に暮らせるのならそれで良いのですが。

それって理想的ですよ!
今の世の中「安定的に暮らせる」ということ自体が相当怪しくなってきています。

かなり危うい水域まで来ている時代だからこそ、「おせん」ちゃんのセリフが心をうつのでしょうね。

真っ暗~な世の中ですが、おせんちゃんのような心ある経営者も少なからずいると信じたいです。
(でも経営はきっと厳しいだろうな~・苦笑)

tさんもガンガン撮りましょう!
この時期、tさんにとってはどちらかというとオフシーズンなのかしら?
ワタシの中でtさんといえば「冬」というイメージがあります。

投稿: 渡辺タカコ | 2008年6月20日 (金) 00時33分

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 一升庵で働きたい:

« フンガイその後 | トップページ | 村主章枝さんがモロゾフ氏に師事<正式発表> »