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2008年6月 8日 (日)

最近の事件報道、そして裁判員制度

最近のニュースについて気になることいくつか。

★ある殺人事件に関する報道。

殺人方法や遺体の処理法をどうして事細かに伝えるのだろう・・・。遺族はどのような思いでニュースを耳にし、目にするのだろう。

それらを事細かにマスコミを通じて伝えることによって、社会的になんらかのメリットがあるだろうか?犯罪防止にも繋がらないと思う。むしろ同じような犯罪の引き金になるのではないか。

★ある暴行事件に関する報道。

被害者は、被害にあっただけでも一生消えない傷を受けただろう。これからの人生に思い描いていた夢が消え去ったかもしれない。

告訴するには相当な勇気がいるだろう。事情聴取や法廷での証言など、苦痛を覚えることも多いだろう。それでも許しがたい犯罪に対して勇気を振り絞って告訴する決意をしたことだろう。

マスコミは、被害者がこれ以上傷つかないような配慮が何故出来ないのだろう。

被害者がどこの誰か特定できるような被害者の家族構成、更には家族の年齢やバックグラウンドをマスコミが全国放送で大々的に伝える必要がどこにあるのだろうか。

(もしこれが人気スポーツをめぐる事件でなかったとしたら、ここまで事細かに伝えただろうか。)

どうして被害の状況を家の見取り図まで使って伝えなければならないのだろう。

絶対的な上下関係や、閉ざされた世界での許しがたい犯罪に対して、被害に遭わないよう注意喚起を促す意味があるとしても、やはり過熱報道に思えてならない。

既存メディアとネットが共存する社会では、一度放たれた情報があちこちで増殖し、反応は増幅し、そう簡単にこの社会から消えることはない。

(加害者もまた、本来の法的な裁きに加え、以前よりも遥かに多大で長きに渡る社会的制裁を受けることになるのかもしれない。)

被害者やその家族がこれから歩む人生に、これ以上の不幸が降りかからないことを心から願ってやまない。

★裁判員制度。

多くの人間はメディアの情報によって感情を左右され、先入観を持ち、思考や行動に影響を受ける。

残念なことにその情報は、時に事実や真実から離れ、過熱し、ごく限られた一部の人間の判断によるバイヤスを持つことは、過去のマスコミの事件報道を検証すれば明らかだ。

(「一度も誤報は無かった。常に中立・公正で、いつも真実だけを伝えている。」と胸を張れるマスコミが一体どこにあるだろう?)

また、ネット上に氾濫する情報からも少なからず影響を受けている人は多い。

私は裁判員制度に反対だ。

マスメディアやネット上の情報から影響を受けるであろう法律の専門知識を持たない人々の「良識」などというものが、他の人間を裁くことの恐ろしさを強く感じる。

例え国民が選んだ結果だとしても(後期高齢者医療制度と同様)今になってその問題点・不安材料の重さや大きさに改めて気付いている人も多いのではないだろうか。

いまならまだ間に合う。

裁判員制度はスタートさせるべきではないと私は思う。

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コメント

被害を受けた方、そのご家族に対する気遣い、思いやりが足りないというのはマスコミも確かにそうですが、結局はそれを見て喜んでいる私達を映しているのかもしれません。

むしろ、そういう報道、取材姿勢に対して私達がNo!を突きつけていくくらいでないと、変わっていかない気がします。

詳しく伝えるのは、例えば硫化水素がどれだけ周囲に迷惑をかけるのか、どれだけ実は苦しいのかを伝えるとかって言うのはどんどんやって欲しいと思いますけどね。

投稿: 塚原 | 2008年6月 8日 (日) 23時05分

★塚原さん
>むしろ、そういう報道、取材姿勢に対して私達がNo!を突きつけていくくらいでないと、変わっていかない気がします。

塚原さんも気付いた時には宜しくお願いします!

本当に視聴者が求めていることと一部メディアの取材姿勢は食い違っていることも非常に多いと思います。
もちろん多くの人間には「怖いもの見たさ」という残酷な一面もあることは否定しませんが、そうした人間の欲求の一面を満たすことが視聴者のニーズに応えているから・・・というのは、放送の倫理的な問題に目をつぶる理由にはならないと個人的に思います。
最近の状況は恐ろしいものを感じます。
過去の深い反省から時間が経過し、自省や検証が疎かになっているような気がしてなりません。

裁判員制度スタートに当たっては、マスコミの偉い方々も報道に関しての検証をあれこれしていますが、既に大きな問題点が多々噴出しているといった状況です。
それらの問題に対して、さしあたって明確な解決策はいまだ示せずにいるといったところでしょう。

硫化水素自殺に限らず、自殺報道に関しては、報道内容と同様の手段の自殺がその後に続き、連鎖反応を引き起こすというのは(ネット普及以前の)かなり昔から知られています。
今年続いた硫化水素自殺のひとつの引き金となったのは少なからずマスコミの報道の影響もあったと思います。

投稿: 渡辺タカコ | 2008年6月 9日 (月) 00時33分

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